相談員の深田です。

 

今日は看護師のカンファレンスが臨時でありました。

 

ここ数日

何だかいつもと違う様子のO様。

 

 

足をジタバタさせたり

夜も眠らずに歩き回っている。

いつもは食欲旺盛なのにお食事も進まない。

 

何だかいつもと違うけれど

その入居者様は重度の認知症を患っております。

 

失認や失語などの認知症の症状から

『お腹が空いた』

『お腹が痛い』

などの自発的な言葉を発することができません。

 

ご自分で症状を訴えることが出来ません。

 

O様は病気により

ご自分で自分の気持ちを訴えることができないんです。

 

 

自分の気持ちを言葉にすることができないんです。

 

 

 

そんなO様の「何だかいつもと違う」が起きたとき

看護師たちはカンファレンスを開きます。

 

なぜそれが起きているのか

 

既往歴

飲んでいる薬

普段の生活との違い

症状

 

等から情報を収集し推測していきます。

 

 

十二指腸乳頭部癌の既往がある入居者様です。

治療ができず無治療の状態で発症から6年が経過。

 

十二指腸乳頭部癌とは何なのか?

癌の進行によりどの様なことが起こるのか?

どういう視点を持って観察すれば良いのか?

 

癌の進行による「何だかいつもと違う」なのか

それとは関係ない「何だかいつもと違う」なのか。

 

 

 

癌ではない根拠

癌であるかも知れない根拠

 

これらをひとつずつ観察していく必要があります。

 

もちろん、

往診先の医師とも情報共有し

今日は往診日ではありませんでしたが

医師に来てもらい採血をするという判断をしました。

 

入居者様の「何だかいつもと違う」を

様々な角度からアセスメントし

様子見とせず医師を呼び採血をしてもらう。

 

「医師を呼び臨時で採血をしてもらう」

という判断。

 

こうやって簡単に書いていますが

全然簡単なことではないな・・とつくづく感じます。

 

採血をすることにより採血データから

癌ではないということを否定していく。

 

そして

もしも癌であるならば

採血データにより癌の重症度具合を推測することや

今後予想される症状の出現の有無が把握することができます

 

 

言葉で自分の症状が発せられない利用者様の

医療提供の難しさを感じております。

 

 

看護過程にあてはめてアセスメントの情報共有をする為に

本日臨時で看護師だけでカンファレンスを開いたそうです。

 

 

私もO様に対する看護師のアプローチ方法が知りたく

カンファレンスに参加させてもらいました。

 

 

 

赤丸の部分が十二指腸乳頭部になります。

 

 

十二指腸乳頭部に癌がある場合

 

胆管と膵管が癌により閉塞してしまう為に

胆管閉塞・膵管閉塞の症状の観察と

採血データの数値を見ることが大切との事です

 

 

胆管閉塞や膵管閉塞により

黄疸・白色の排便・嘔吐・発熱・右腹部痛・発汗・血糖異常・背部痛・レベル低下などが発生し

一般の採血データもビリルビン値や炎症反応・コレステロール値が上昇するそうです。

 

 

これらを基に看護展開をして

可能なアプローチ方法を決定させ看護師同士で共有していくための

カンファレンスを看護師同士で本日実施をしておりました。

 

 

 

自分で『痛い部位』・『痛みの程度』・『辛い内容』・『困っている事』が言えないことは

とても辛いことです。

 

O様の症状を緩和することだけでなく

O様の苦しみを緩和させるための

観察項目と観察視点を看護師同士で共有するために

医師の往診・採血の実施・看護師同士のカンファレンスを本日実施してくれてました。

 

 

 

カンファレンスの内容が専門的過ぎて解らないことが多く

私が書ける内容はここまでになってしまいますが

O様への適切な医療・シーハーツ松戸で行える可能な範囲の看護を

シーハーツ松戸の看護師が積極的にアプローチをかけてくれております。

 

 

シーハーツ松戸は老人施設です。

 

病院とは違います。

 

 

医療従事者も看護師定員が3名のみです。

 

1日、1名から2名の看護師で57名の利用者様の看護をしてくれております。

 

医師は常駐しておらず往診医のみです。

 

 

 

 

出来ることと出来ないことがあるのも事実です。

 

 

でも、

シーハーツ松戸の看護師は施設で出来る範囲の看護を

全力で取り組んでくれております。

 

 

 

 

 

看護師の努力が報われ、O様の状態が良くなることを心から願っております。